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個人のメモ帳

atlantisでterraform import / terraform state rm

これは何

terraform automation toolであるatlantisに以下のPRを実装したことで、terraform import / terraform state rm相当の機能をatlantis経由で実行出来るようになった

atlantis import / state rm

Terraform Pull Request Automation | Atlantis はterraform実行をPRで行うツールである。terraformの変更をPRで出した際にplanをPRに表示 → 内容を確認してapprove → atlantis apply といったコマンドでterraform反映 → PR mergeのようなフローで操作が可能になる。

今回このatlantisに atlantis import addr idatlantis state rm addr の機能を追加した。この機能を利用するには、 atlantis importv0.22.0atlantis state rm は次リリースである v0.23.0 が必要となる。デフォルト設定のままだと利用出来ないのだが、 Server Configuration | Atlantis で、importstate を明示的に --allow-commands へ許可するか、all のような指定ですべてのコマンドを実行できるようにすることで利用出来るようになる。

これらの操作については2018年頃からissueが立っていたのだが、今回気が向いて作ることにした。というのも、これらの操作が出来るようになることで、直接localからterraform commandを実行することを極力減らせるためである。localからterraformを実行しないで良いのなら、local環境に強い権限を保持する必要がなくなる。

デフォルト設定でimportやstate rmが使えないのには理由がある。atlantis plan/applyでは、出したPRに対してcode reviewを実施してから反映を行うという、"正しい" フローでの反映が実施出来る。一方で、importなどの操作はdryrun操作などはなく、コメントを記載するだけで実行が出来てしまう。操作するのはtfstateのファイルのみなので、悪意ある操作があったとしても本番影響はない。一方でtfstateがおかしなことになってしまうことはよろしくなく、実行環境が正しく整うまでは利用出来ないような状態としている。

今回の実装では異なるtfstateを跨ぐstate操作や正しいコードレビューのようなフローは導入されず、ただ terraform import / terraform state rm が出来るようになっただけである。これらの操作については tfmigrate + Atlantis でTerraformリファクタリング機能をCI/CDに組み込む - Qiita のようにtfmigrateをplan/applyの処理に組み込むことも別途検討すると良いのではないかと思う。それ以外にも、terragruntのようなツールを使いcustom workflowへ組み込むには、まだworkaroundなども必要な状態である。

もし興味がある方は、ぜひ触って見てfeedbackなどをして欲しい。